アイシングはもう古い!これからはアイシングなしのPEACE and LOVE!
2024/08/03
今はアイシングなしのPEACE and LOVEが主流!
皆さんは捻挫など怪我をされた時どのような処置をされていますか?
だいたいの方は「まず冷やして安静にしておく」というのを教わってきたのではないでしょうか?
ちなみに
Rest(安静)
Incing(アイシング)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
の4つの頭文字を取って
『RICE処置』というものが主流でした。
↓こんな感じ↓
しかし、現在は「RICE処置」は組織の回復を妨げる可能性があるとされています。
そこで今回は新しい「PEACE and LOVE」という考えをご紹介します。
痛みが出た直後の対応「PEACE」
①Protection(患部保護)
受傷後、1〜3日間は関節運動を制限し、出血の最小化や組織損傷の拡大の防止を図ります。
ただし、完全安静(不動や固定)は組織の構造的・力学的回復を阻害するため、保護は最小限にする必要があります。
②Elevation(挙上)
患部を心臓よりも高く挙上することで患部からの間質液排出を促進します
*エビデンスは弱いが、有害性も少ないため推奨されています。
③Avoid Anti-Inflemmatiories(抗炎症を控える)
炎症作用は組織の回復には必要なものです。
その反応を投薬やアイシングで抑止することは組織回復にとっては逆効果になり得ます。
アイシングは現場では頻繁に行われていましたが、有効性を示す質の高いエビデンスは存在しておらず、むしろ炎症反応や血管新生、血行の阻害、好中球やマクロファージ浸潤の遅延、未熟な筋繊維の増加などが懸念されています。
そのため、現在では抗炎症薬やアイシングは控えた方が良いとされています、
④Compression(圧迫)
包帯やテープを用いた外部からの患部圧迫は関節水腫や組織の出血を制限する働きがあります。
⑤Edication(患者教育)
患部の状態に最も適した対処法を患者様にお伝えし、医療従事者や過剰な薬の服用に頼り切った受け身な治療を避けるようにします。能動的にセルフケアやトレーニングは回復を促進する効果があるため、その重要性を理解させる必要があります。
数日経過してからの対応「LOVE」
①Load(力学的負荷)
運動療法を主体とした能動的なアプローチはほとんどの運動器疾患で効果的です。
適度な力学的負荷は可能な限り早くからかけていくべきで、日常生活も可能な限り再開させます。
これによって、組織の治癒やリモデリング、強化を促進します。
②Optimism(悲観的にならない)
意外かもしれませんが、患者の精神状態は臨床の成績や予後と関連すると報告されています。
破局的思考や抑うつ、不安などは回復の妨げになり、特に足関節捻挫では病態の程度よりも患者の疾患に対する考え方や感情が関係することも示唆されています。
③Vascularization(血行改善)
痛みのない有酸素運動は受賞数日後から始めることでモチベーション向上や血行改善が得られると考えられています。
また、近年はハーバード大学でもマッサージが組織の回復を最大で2倍早めるとも報告されています。
④Exercise(エクササイズ)
エクササイズは受傷後の可動性や筋力、固有受容機能の回復に有効です。
まとめ
今までの「RICE処置」と現在、主流の「PEACE and LOVE」処置の最大の違いは
「アイシングをしない」
「安静にしない」
という2点です。
「ケガしたすぐだから冷やしましょう」とか「安静にしてください」と指導されることが多いですが、それでは回復を妨げる可能性がありますので注意してくださいね。